皆さんこんにちは。友愛医療センター初期研修医2年目の山本 航史郎です。このように名乗ることもあと数日です。というのも私はこの3月で初期研修医を終え、これからは上級医として後輩に指導したりするだけでなく責任ある立場になります。医者としての歩みだしから2年間本当に色々なことがあり、苦しんだことも多くありましたが人生で最も成長した時期でもありました。今回は私ごとではありますが2年間の振り返りをここでさせていただきたいと思います。
私は学生時代から当科教授の岩瀬 哲先生にキャリアパスについてご相談にのっていただき、卒業後は埼玉医科大学の初期研修プログラムに入り研究に関しては岩瀬先生の下で学ぶようにすすめられていました。しかし私は井の中の蛙になりたくないという思いで、先生の助言を振り切り縁も縁もない沖縄での初期研修を選びました。そのきっかけは、懇意にさせていただいていた埼玉医科大学総合医療センター 小児科 教授だった阪井裕一先生に沖縄の群星臨床研修プログラムを統括されている徳田 安春先生をご紹介していただいたことでした。徳田先生は私が尊敬している黒川 清先生の後継者と呼ばれている方で、その徳田先生から指導を受けたいと思い僕は沖縄で医師として歩み始めることを決めました。
1年目の時は本当に仕事になれることでいっぱいいっぱいでした。病院での事務的な仕事から各科で異なる診療、救急当直など覚えることの多さとあまりの忙しさで1年間があっという間に過ぎていきました。2年目になってやっと少し余裕がでてきたところで後輩たちが入職してきました。自分のことでまだまだ手一杯の中で後輩たちに教育することは非常に難しく、僕なんかが教える資格があるのかと悩みました。それでも患者の命に関わるときなどは指導する場面は何度もあり、その度にどうすれば後輩に響く伝え方ができるんだろうと考え行動していました。そして教育している中で学んだのですが教えるためには12分に知識を自分の中で解釈していなければならず、教育は自分の成長にもつながるのだと改めて実感として学びました。
またこの2年間で多くのメンターとも出会いました。一人ひとりのエピソードを挙げれば際限ないので割愛しますが本当に多くのことを学びました。医療のみならず、勉強姿勢、教育、マネジメントなど多岐にわたって上級医だけでなく、同期、後輩たちからも学ぶことばかりでした。コミュニティの幅を広げて様々な人に出会い刺激を受けることができたことが、この2年間での最大の収穫だったように思います。
これから私は埼玉医科大学に戻り緩和医療科に所属します。臨床は担癌患者のマルチプロブレムに対して関わり、研究に関してはAIについて学びたく週に1,2回理化学研究所に勉強にいかせていただく予定です。専門プラグラムには乗らずに進んでいくので不安もありますが、この2年間で得た経験があれば必ず乗り切ることができると思っています。私が所属するチームの上司、そして先輩方は本当にエネルギーに溢れた素敵な人ばかりなので来年度から楽しみで仕方ありません。皆さんの期待に答えられるように頑張ります。