Treatment

訪問診療

概要

Summary

当臨床医であれば誰しも、病院から退院していった患者さんたちがその後どのように暮らしているのか、気になったことがあると思います。
一般国民のおよそ5割が、末期癌の場合に人生の最終段階で自宅で療養したいと考えているといいます。その理由として、住み慣れた場所で最期を迎えたい、最期まで自分らしく過ごしたい、家族との時間を多くしたい、などが挙げられており(平成29年度「厚生労働省の人生の最終段階における医療に関する意識調査」より)、在宅医療の需要は高まっています。

訪問診療は、医療の提供の必要があるにもかかわらず通院が困難な方々のために、医師が自宅などに赴いて行う診療です。
当院で訪問診療を提供しているわけではありませんが、当科に所属する若手医師は訪問診療を行っている提携先に週1回勤務することを基本としています。

訪問診療を学ぶ意義

Meaning

患者さんのお宅に実際にお邪魔すると、たとえば団地だったり、とても広いお屋敷だったり、段差が多かったり、エレベーターがなかったり、熱心なご家族がいたり、大好きなコレクションがたくさんあったりなど、ベッドサイドでは知り得ない患者さんの姿を肌で感じることができます。
生活に密着した診療には、病院とは異なるテクニックや、病院とは異なる「病気との向き合い方」があります。一方で病院での知識や経験が応用できる場面も多く、限られた環境でも案外さまざまなことができるということを実感できるでしょう。病院と在宅、両方を知ることで視野が大きく広がることと思います。時には自身が病棟で受け持った患者さんのもとへ訪問して、ひとりの患者さんを最期まで診るという貴重な経験をできることもあります。
家というかけがえのない場所で過ごす時間は患者さんにとって大きな力になります。これからは、地域の中で生活している一人の人間として患者さんに対峙し、専門性を発揮しつつも総合的に医師が関わり合う時代がやってきます。病院から飛び出して、奥深い在宅医療の世界を覗いてみませんか。

提携先病院・診療所

Partnership

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