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医局情報発信コーナー

白衣の羽〜医療の未来への旅〜
2024年06月24日

第29回日本緩和医療学会学術総会に参加してきました

カテゴリ: 学会・研究会関連

皆さんこんにちは。
緩和医療科/リハビリテーション科の新野です。

6/14、15に神戸市で行われた第29回日本緩和医療学会学術総会(第37回日本サイコオンコロジー学会総会と合同開催)に、ポスター発表で参加してきました!発表は以前に担当した、直腸癌髄膜癌腫症の症例報告をさせていただきました。
原因不明の意識障害、せん妄の原因を突きつめていったら髄膜癌腫症が明らかになった一例で、直腸癌では報告が少なく、診断にたどり着くまでに時間がかかってしまった反省も込めてポスターを作成しました。

発表のときも、それからこの患者さんを受け持っていたときも、支えてもらった緩和医療科・緩和ケアチームのスタッフには感謝しています。本当にありがとうございました。自分の発表以外にも、さまざまなセッション、ポスターで勉強してきました。
ほかの施設ではどんなことをしているのか、自分の施設がやっていることは全国から見たらどんな立ち位置なのか、いつもとは違った視点で考える良い機会となりました。
当院は緩和ケア外来を活用した在宅医療への切れ目ない橋渡しという意味では、全国でも先進的な活動をできているようです。一方で当院には緩和ケア病棟はありませんので、緩和ケア病棟での常識については初めて知ることも多くありました。全体としてまだまだ知見の統一化できていない分野なのだということはどの発表を聞いても感じたことで、いつかほかの施設でも研修をしてみたい、しなければならないという思いが強くなりました。

個人的にはコミュニケーションや教育に関するセッションも興味深かったです。哲学者を交えて「アサーティブ(自他の意見ともに尊重する態度のこと)」で「セーフティー(互いに信頼し合い意見を言い合える関係のこと、昨今では心理的安全性と訳されるが哲学者の方から言わせると多くの日本人は本当の意味を誤解しているそうです)」なコミュニケーションについて議論していました。日本では古くから医師は「お医者様」と呼ばれ、どうしてもほかの職種からは敬遠されやすいですし、今なおパターナリズムに陥りやすい文化です。しかし良い緩和ケアはチームでこそ提供できるものなので、どのように周りのスタッフとコミュニケーションをとっていくべきかの参考になるセッションでした。もちろん、せっかく行ったので合間で少し神戸も観光してきましたよ!

いろいろ刺激を受けて、また埼玉で昇進してまいりますので、見学などお気軽にご相談ください。ここまで読んでくださってありがとうございました。

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